お墓のこと

当教会は、境内も墓地も、駐車スペースさえ持たない普通の一軒家というたたずまいです。

でもやっていることは普通のお寺さんと同じ。法事をしたり、御祈願をしたりといったことです。

お寺と同じなので、ご信者様がご利用くださいます。代々、法事を行うご信者様もいらっしゃるので、こういう方は「お檀家様」といえるかもしれません。

このような方にお墓についてご相談されます。このような方は、当教会に墓地がないので、私営や公営の墓地、または先祖代々のご先祖様が眠る菩提寺にお墓を持っています。

そして大概、遠くにお墓があり、お参りになかなか行けないと。どうしたらいい?どうにかして!と。

遠くにあるお墓では、お参りに行けない…。よくわかります。

私は、幸いにして家のお墓を車で1時間ほどいった私営の墓地(霊園)に持っています。結構近い場所に持っていると思います。でもだからと言って、頻繁にお参りに行けるか?というといけていません…。せいぜい、二月、三月に一回といったところです。

私のような近いところにお墓があっても、なかなかお参りできないのですから、遠いところにあるのならなおさらです。気持ちはあってもいけない。こうなってしまうことでしょう。

最近は、墓じまいをする方も多いようです。自分の住んでいる地域に買いなおす人もいらっしゃるとか。

皆様、いろいろとお考えのようです。

さて、当教会。ご信者様方の相談にどう応えたものか?

思うに、お墓はご先祖様がいらっしゃる場所、眠っている場所と考えるから必要なのでしょう。一種のモニュメントです。この場所に行けば、ご先祖様がいらっしゃると思える場所という意味で!!

そしてなにか困ったこと、迷ったことがあったりしたら、お参りでもして、ご先祖様にお願いしてみる。相談してみる。

先祖供養をする場所という機能があると共に、このような機能がお墓にはあると思うのです。

家族の、血縁のプライベートな場所です。

当教会では、この役目・機能をお寺が代われるのではないかと思うのです。

具体的には、位牌供養というものを提案しています。

簡単に説明すると、先祖代々のお位牌を当教会の本堂にお祀りしてもらうことで、当教会にご先祖様がいらっしゃるのだと思っていただき、お墓にお参りする代わりに当教会にお参りしてもらうというものです。

ご遺骨などは、各家庭で持っていただくか、当教会に預けていただくか、または散骨などで対処します。いずれご信者様の人数が増えたならば、どこかに共同墓地を作り、みんなで入る場所にしてもいいと思っています。

当教会には、今すぐ墓地を整備する力がありません…。でもお寺自体を墓地の代わりとし、お参りしてもらえればいいのではと思っています。

室内へのお参りですから、天候を気にすることもありません。

お茶などもお出しして、一緒のお話しすることもできます。もしかしたら教えの話や皆様が抱える問題のご相談に乗らせていただくこともできるかもしれません。

皆様にとっても、当教会にとってもメリットがあるのでは?と。

ただお墓の代わりですから、お参りできる距離にいる人にお勧めしています。お参りがなかなかできないというのでは、本末転倒ですから。

また当教会と同じ宗旨を持つ菩提寺にお墓を持つ方には、菩提寺とよく話し合ってから位牌供養をと伝えています。現代では、お寺と言おうが経済活動から距離を置くことができません。そしてお寺はお檀家様・ご信者様がいて下さるからこそ、回っていきます。どのお寺もだからお檀家様・ご信者様を大切にされているはずですから。

いろいろと書きましたが、この位牌供養というものでお墓のお悩みに応えていこうと有縁のご信者様・お檀家様に伝えています。

今のところ、数件のご依頼をいただき、位牌供養を行っています。

ご縁がありますように

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