信解品第四

世尊は大恩まします。希有の事を以て憐愍教化(れんみんきょうけ)して、我等を利益(りやく)したもう。無量億劫(むりょうおっこう)にも誰か能く報(ほう)ずる者あらん。手足をもって供給(くきゅう)し、頭頂(ずちょう)をもって礼敬(らいきょう)し、一切をもって供養すとも、皆報ずること能わじ。若しは以て頂戴(ちょうだい)し、両肩(りょうけん)に荷負(かふ)して恒沙劫(ごうじゃごう)に於て心を尽(つ)くして恭敬(くぎょう)し、又、美膳(みぜん)・無量の宝衣(ほうえ)及び諸の臥具(がぐ)・種々の湯薬(とうやく)を以てし、牛頭栴檀(ごずせんだん)及び諸の珍宝以て塔廟(とうびょう)を起(た)て宝衣(ほうえ)を地に布(し)く。斯の如き等の事、以用(もっ)て供養すること恒沙劫に於てすとも亦報ずること能わじ。

諸仏は希有にして無量無辺不可思議の大神通力まします。無漏・無為にして、諸法の王なり。 能(よ)く下劣の為に斯の事を忍びたもう。取相(しゅそう)の凡夫に宜しきに隨って為に説きたもう。 諸仏は法に於て最自在を得たまえり。諸の衆生の種々の欲楽(よくぎょう)及び其の志力(しりき)を知しめして堪任(かんにん)する所に隨って無量の喩を以て、而も為に法を説きたもう。諸の衆生の宿世(しゅくせ)の善根(ぜんごん)に隨い、又、成熟・未成熟の者を知しめし、種々に籌量(ちゅうりょう)し、分別し、知しめし已(おわ)って、一乗の道に於て 宜しきに隨って三と説きたもう。