書き下し文
爾(そ)の時に慧命須菩提(えみょうしゅぼだい)・摩訶迦旃延(まかかせんねん)・摩訶迦葉(まかかしょう)・摩訶目犍連(まかもっけんれん)、仏に従いたてまつりて聞ける所の未曽有(みぞうう)の法と、世尊の舎利弗(しゃりほつ)に阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)の記(き)を授けたもうとに希有(けう)の心を発(おこ)し、歓喜踊躍(かんぎゆやく)して、即ち座より起って衣服(えぶく)を整え、偏(ひとえ)に右の肩を袒(あらわ)にし、右の膝を地に著(つ)け、一心に合掌し、曲躬恭敬(こくぐくぎょう)し、尊顔(そんげん)を瞻仰(せんごう)して仏に白(もう)して言(もう)さく、
我等、僧(でし)の首(はじめ)に居(こ)し、年(とし)並に朽邁(くまい)せり。自ら已(すで)に涅槃を得て堪任(かんにん)する所無しと謂(おも)うて、復、阿耨多羅三藐三菩提を進求(しんぐ)せず。世尊、往昔(おうしゃく)の説法、既に久し。