分別功徳品第十七

天(てん)の曼陀羅・摩訶曼陀羅を雨らして、釈(しゃく)・梵(ぼん)恒沙(ごうしゃ)の如く、無数の仏土(ぶつど)より来(きた)れり。栴檀(せんだん)・沈水(じんづい)を雨らして、繽紛(ひんぷん)として乱(みだ)れ墜(お)つること、鳥(とり)の飛(と)んで空(そら)より下(くだ)るが如くにして、諸仏に供散(くさん)し、天鼓(てんく)虚空の中にして、自然に妙声(みょうしょう)を出(いだ)し、天衣(てんね)千万億(せんまんのく)旋転(せんでん)して来下(らいげ)し、衆宝(しゅうほう)の妙(たえ)なる香爐(こうろ)に無価(むげ)の香(こう)を燒(た)いて自然(じねん)に悉(ことごと)く周徧(しゅうへん)して、諸の世尊に供養す。

其(そ)の大菩薩衆(だいぼさつしゅう)は、七宝の旛蓋(ばんがい)高妙(こうみょう)にして万億種(まんのくしゅ)なるを執(と)って次第(しだい)に梵天(ぼんてん)に至(いた)る。一々(いちいち)の諸仏の前(みまえ)に宝幢(ほうどう)に勝幡(しょうばん)を懸(か)けたり。亦千万の偈を以(もっ)て、諸の如来を歌詠(かじゅ)したてまつる。是の如き種々の事(じ)、昔(むかし)より未だ曽てあらざる所なり。仏寿の無量なることを聞いて一切皆歓喜す。仏の名(みな)十方(じゅっぽう)に聞(きこ)えて広(ひろ)く衆生を饒益したもう。一切善根(ぜんこん)を具(ぐ)して以て無上の心を助(たす)く。