汝等、皆当に数々(しばしば)親近して之を供養すべし。所以(ゆえ)は何(いか)ん。若し声聞・辟支仏(ひゃくしぶつ)及び諸の菩薩、能く是の十六の菩薩の所説の経法を信じ、受持して毀(そし)らざらん者、是の人は皆当に阿耨多羅三藐三菩提の如来の慧を得べし。
仏、諸の比丘に告げたまわく、是の十六の菩薩は常に楽(ねが)って是の妙法蓮華経を説く。一々の菩薩の所化の六百万億那由佗恒河沙等の衆生は、世々に生まるる所、(この)菩薩と倶(とも)にして、其れに従い法を聞いて悉く皆信解せり。此の因縁を以て四万億の諸仏世尊に値(あ)いたてまつることを得、今に尽きず。
諸の比丘、我、今汝に語る。彼の仏の弟子の十六の沙弥は、今、皆阿耨多羅三藐三菩提を得、十方の国土に於て現在に法を説きたもう。無量百千万億の菩薩・声聞あって以て眷属とせり。
其の二(ふた)りの沙弥は東方にして作仏す。一を阿閦(あしゅく)と名け歓喜国にいます。二を須弥頂(しゅみちょう)と名く。東南方に二仏、一を師子音(ししおん)と名け、二を師子相(ししそう)と名く。南方に二仏、一を虚空住(こくうじゅう)と名け、二を常滅(じょうめつ)と名く。西南方に二仏、一を帝相(たいそう)と名け、二を梵相(ぼんそう)と名く。西方に二仏、一を阿弥陀(あみだ)と名け、二を度一切世間苦悩(どいっさいせけんくのう)と名く。西北方に二仏、一を多摩羅跋栴檀香神通(たまらばせんだんこうじんつう)と名け、二を須弥相(しゅみそう)と名く。北方に二仏、一を雲自在(うんじざい)と名け、二を雲自在王(うんじざいおう)と名く。東北方の仏を壊一切世間怖畏(えいっさいせけんふい)と名く。第十六は我、釈迦牟尼仏なり。娑婆国土に於て阿耨多羅三藐三菩提を成ぜり。
諸の比丘、我等(われら)沙弥たりし時、各々に無量百千万億恒河沙等の衆生を教化せり。我に従って法を聞きしは阿耨多羅三藐三菩提を為(な)しにき。此の諸の衆生、今に声聞地(しょうもんじ)に住せる者あり。我、常に阿耨多羅三藐三菩提に教化す。是の諸人等、是の法を以て漸(ようや)く仏道に入るべし。所以は何ん。如来の智慧は信じ難く解し難ければなり。