序品第一

その時に世尊、四衆に囲遶(いにょう)せられ、供養・恭敬(くぎょう)・讃嘆(さんだん)せられて、諸の菩薩の為に大乗経の無量義教菩薩法仏所護念(むりょうぎきょうぼさつぽうぶっしょごねん)と名づくるを説きたもう。

仏、この経を説きおわって、結跏趺坐(けっかふざ)し、無量義処三昧(むりょうぎしょさんまい)に入って、身心、動じたまわず。

この時に、天より曼荼羅華(まんだらけ)・摩訶曼荼羅華・曼珠沙華(まんじゅしゃけ)・摩訶曼珠沙華を雨(ふ)らして、仏の上(みうえ)、及び諸の大衆に散じ、普仏世界(ふぶつせかい)、六種に震動す。

その時に、会中(えちゅう)の比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・天・竜・夜叉・乾闥婆(けんだつば)・阿修羅・迦楼羅(かるら)・緊那羅(きんなら)・摩睺羅伽(まごらが)・人・非人(ひにん)、及び諸の小王・転輪聖王(てんりんじょうおう)、この諸の大衆、未曾有(みぞうう)なることを得て、歓喜し合掌して、一心に仏を観たてまつる。