龍女、智積菩薩・尊者舎利弗に謂って言わく、我、宝珠を献(たてまつ)る。世尊の納受(のうじゅ)、是の事、疾(と)しや不(いな)や。
答えて言わく、甚だ疾し。
女の言わく、汝が神力を以て我が成仏を観よ。復、此れよりも速かならん。
当時の衆会(しゅうえ)、皆、龍女の忽然(こつねん)の間に変(へん)じて男子(なんし)となって、菩薩の行を具して、即ち南方無垢世界(なんぽうむくせかい)に住(ゆ)いて宝蓮華(ほうれんげ)に坐して等正覚を成じ、三十二相・八十種好(はちじゅっしゅこう)あって、普(あまね)く十方の一切衆生の為に妙法を演説するを見る。
爾の時に娑婆世界の菩薩・声聞・天・龍・八部・人と非人と皆遥(みなはる)かに彼(か)の龍女の成仏して、普く時の会(え)の人・天の為に法を説くを見て、心大いに歓喜して悉く遥かに敬礼す。無量の衆生、法を聞いて解悟(げご)し不退転を得、無量の衆生、道の記を受くることを得たり。 無垢世界(むくせかい)六反(ろっぺん)に震動(しんどう)す。娑婆世界の三千の衆生、不退(ふたい)の地に住し、三千の衆生、菩提心を発して受記を得たり。智積菩薩及び舎利弗、一切の衆会、黙然(もくねん)として信受す。