今云く、汝が不審ねんごろなれば少々釈をいだすべし。
〔天台大師云く、「後(のち)の五百歳、遠く妙道に沾(うるお)わん」〕と。〔妙楽大師云く、「末法(まつぽう)の初め、冥利(みようり)なきにあらず」〕と。〔伝教大師云く、「正像稍(しようぞうやや)過ぎ已(おわ)りて、末法太(はなは)だ近きに有り、法華一乗の機、今正(まさ)しく是(こ)れ其(そ)の時なり。何をもつて知ることを得る。安楽行(あんらくぎよう)品に云く、末世法滅の時なり」〕と。また云く、〔「代(よ)を語(かた)れば則ち像(ぞう)の終り末(まつ)の初め、地を尋ぬれば唐の東羯(かつ)の西、人を原(たず)ぬれば則ち五濁(ごじよく)の生(しよう)闘諍(とうじよう)の時なり。経に云く、猶多怨嫉(ゆたおんしつ)況滅度後(きようめつどご)と。この言(ことば)良(まこと)に以(ゆえ)あるなり」〕と云云。