方便品第二

又、諸の大聖主(だいしょうじゅ)、一切世間の天・人・群生類(ぐんじょうるい)、深心の所欲(しょよく)を知(しら)しめして、更(さら)に異(い)の方便を以て第一義を助顕(じょけん)したまいき。

若し衆生類あって諸の過去の仏に値いたてまつって、若しは法を聞いて布施し、或は持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進・禅・智等、種々に福徳を修せん。是の如き諸人等、皆、已(すで)に仏道を成じき。

諸仏、滅度し已って、若し人、善軟(ぜんなん)の心あり。是の如き諸の衆生、皆、已に仏道を成じき。

諸仏、滅度し已って舎利を供養する者、万億種の塔を起てて、金銀(こんごん)及び頗黎(はり)・硨磲(しゃこ)と瑪瑙(めのう)・玫瑰(まいえ)・瑠璃珠(はりしゅ)とをもって清浄に広く厳飾(ごんじき)し諸の塔を荘校(しょうきょう)し、或は石廟(しゃくびょう)を起(た)て栴檀(せんだん)及び沈水(じんずい)・木櫁(もくみつ)並に余の材・甎瓦(せんが)・泥土等(でいどとう)をもってするあり。若しは曠野(こうや)の中に於て土を積んで仏廟(ぶつびょう)を成し、乃至、童子(どうじ)の戯(たわむれ)に沙(いさご)を聚(あつ)めて仏塔(ぶっとう)と為(なせ)る。是の如き諸人等、皆、已に仏道を成じき。