法師品第十

若し是の善男子(ぜんなんし)・善女人(ぜんにょにん)、我が滅度の後、能く窃(ひそ)かに一人(いちにん)の為にも法華経の乃至一句を説かん。

当に知るべし。是の人は則ち如来の使(つかい)なり。如来の所遣(しょけん)として如来の事(じ)を行(ぎょう)ずるなり。何に況んや、大衆(だいしゅう)の中に於て広く人の為に説かんをや。

薬王、若し悪人あって不善(ふぜん)の心を以て一劫(いっこう)の中に於て、現(げん)に仏前に於て常に仏を毀罵(きめ)せん。其の罪、尚(な)お軽(かろ)し。

若し人、一(ひとこと)の悪言(あくごん)を以て、在家(ざいけ)・出家(しゅっけ)の法華経を読誦する者を毀訾(きし)せん。其の罪、甚(はなは)だ重(おも)し。

薬王、其れ法華経を読誦すること有らん者は、当に知るべし、是の人は仏の荘厳(しょうごん)を以て自(みずか)ら荘厳するなり。

則ち如来の肩に荷担(かたん)せらるることを為(え)ん。其の所至(しょし)の方(ほう)には隨(したが)って向(むか)い礼(らい)すべし。