法師品第十

一心に合掌して恭敬(くぎょう)・供養・尊重(そんじゅう)・讃歎(さんだん)し、華・香・瓔珞・抹香・塗香・焼香・繒蓋・幢旛・衣服・肴膳(きょうぜん)をもってし、諸(もろもろ)の伎楽を作(な)し、人中(にんちゅう)の上供(じょうく)をもって之を供養せよ。天の宝を持って、以て之を散(さん)ずべし。天上の宝聚(ほうじゅ)以て奉献(ぶごん)すべし。

所以(ゆえ)は何(いか)ん。是の人、歓喜して法を説かんに、須臾(しゅゆ)も之(これ)を聞かば即(すなわ)ち阿耨多羅三藐三菩提を究竟(くきょう)することを得(え)んが故なり。

爾の時に世尊、重(かさ)ねて此の義を宣(の)べんと欲(ほっ)して、偈を説いて言(のたま)わく

若し仏道に住して自然智(じねんち)を成就せんと欲せば、常に当に勤(つと)めて法華を受持せん者を供養すべし。

其れ疾(と)く一切種智慧(いっさいしゅちえ)を得んと欲することあらんは、当に此の経を受持し並(ならび)に持者(じしゃ)を供養すべし。

若し能く妙法華経を受持することあらん者は、当に知るべし、仏の所使として諸の衆生を愍念(みんねん)するなり。諸の能く妙法華経を受持することあらん者は、清浄の土を捨てて衆を愍むが故に此に生ずるなり。