無量義経十功徳品第三

善男子、第七にこの経の不可思議の功徳力とは、

もし善男子、善女人、仏の在世、もしは滅度の後おいて、この経を聞くことを得て、歓喜し信楽(しんぎょう)し稀有の心を生じ、受持し読誦し書写し解説(げせつ)し説の如く修行し、菩提心を発(おこ)し、諸の善根(ぜんこん)を起こし、大悲の意(こころ)を興(おこ)して、一切の苦悩の衆生を度せんと欲せば、未だ六波羅蜜を修行せずといえども六波羅蜜、自然(じねん)に在前(ざいぜん)し、即ち、この身において無生法忍(むしょうぼうにん)を得、生死・煩悩一時に断壊(だんね)して、菩薩の第七の地に昇らん。

譬えば、健やかなる人が王の為に怨(あだ)を除き、怨、既に滅しおわらん。王、大いに歓喜して、賞賜(しょうし)するに半国(はんごく)の封(ほう)、悉く以て、之を与えん。

持経の善男子、善女人も亦復是の如し。諸の行人(ぎょうにん)において、最も為(これ)勇健(ゆうごん)なり。六度の法宝(ほうほう)、求めざるに自ずから至ることを得たり。生死の怨敵、自然に散壊(さんね)し、無生忍(むしょうにん)の半仏国(はんぶっこく)の宝を証(しょう)し、封の賞あって安楽ならん。

善男子、これをこの経の第七の功徳不思議の力と名づく。