無量義経十功徳品第三

その時に世尊、大荘厳菩薩摩訶薩に告(つ)げて言(のたま)わく、

善哉(よいかな)善哉(よいかな)、善男子(ぜんなんし)、是の如し、是の如し、汝が説く所の如し。

善男子(ぜんなんし)、我、この経を説くこと、甚深甚深、真実甚深なり。故はいかん。衆をして疾く無上菩提を成ぜしむるが故に。一たび聞けばよく一切の法を持つが故に。諸の衆生において大(おお)いに利益(りやく)するが故に。大直道(だいじきどう)を行じて留難なきが故に。

善男子(ぜんなんし)、汝、この経は何れの所よりか来たり、去って何れのところにか至り、住って何れの所にか住すると問わば、当に善く諦(あきら)かに聴くべし。

善男子(ぜんなんし)、この経は本、諸仏の室宅(しったく)の中より来たり、去って、一切衆生の発菩提心(ほつぼだいしん)に至り、諸の菩薩所行(ぼさつしょぎょう)の処に住す。

善男子(ぜんなんし)、この経は是の如く来たり、是の如く去り、是の如く住したまえり。この故にこの経は、よく是の如き無量の功徳不思議の力あって、衆をして疾く無上菩提を成ぜしむ。

善男子(ぜんなんし)、汝、むしろこの経に、復、十の不思議の功徳力(くどくりき)あるを聞かんと欲するや不(いな)や。