大荘厳菩薩の言(もう)さく、願わくば聞きたてまつらんと欲す。
仏の言(のたま)わく、
善男子、第一にこの経は、
よく菩薩の未だ発心(ほっしん)せざる者をして菩提心を発(おこ)さしめ、慈仁(じにん)なき者には、慈心を起こさしめ、殺戮(せつりく)を好む者には、大悲の心を起こさしめ、嫉妬を生ずる者には、随喜の心を起こさしめ、愛著(あいじゃく)を生ずる者には、よく捨てる心を起こさしめ、諸の慳貪(けんどん)の者には、布施の心を起こさしめ、憍慢(きょうまん)多き者には、持戒の心を起こさしめ、瞋恚(しんに)盛んなる者には、精進の心を起こさしめ、諸の散乱の者には、禅定の心を起こさしめ、愚痴多き者には、智慧の心を起こさしめ、未だ彼を度すること能(あた)わざる者には彼を度する心を起こさしめ、十悪を行ずる者には、十善の心を起こさしめ、有為を楽(ねが)う者には、無為の心を志さしめ、退心(たいしん)ある者には、不退の心を作(な)さしめ、雨漏(うろ)を為(な)す者には、無漏(むろ)の心を起こさしめ、煩悩多き者には、除滅(じょめつ)の心を起こさしむ。善男子、是をこの経の第一の功徳不思議の力と名づく。