無量義経十功徳品第三

善男子、第四にこの経の不可思議の功徳力とは、

もし衆生あって、この経を聞くことを得て、もしは一転、もしは一偈、乃至、一句もせば、勇健(ゆうごん)の想いを得て、諸の菩薩と以て眷属となり、諸仏如来、常にこの人に向かってしかも法を演説したまわん。

この人、聞きおわって、悉くよく受持し、随順して逆らわじ。転(べっ)して復、人の為に宜しきに随って広く説かん。

善男子、この人は譬えば国王と夫人と新た(あら)に王子を生ぜん。もしは一日、もしは二日、もしは七日に至り、もしは一月、もしは二月、もしは七月に至り、もしは一歳、もしは二歳、もしは七歳に至り、復、国事を領理(りょうり)することあたわずといえども、已(すで)に臣民(しんみん)に宗敬(しゅうきょう)せられ、諸の大王の子を以て伴侶とせん。

王及び夫人、愛心(あいしん)ひとえに重くして常に与(くみ)し共に語らん。故はいかん。稚小(ちしょう)なるを以ての故なり。

善男子、この持経者も亦復是の如し。

諸仏の国王と是(こ)の経の夫人と和合して共にこの菩薩の子(みこ)を生ず。もし菩薩、この経を聞くことを得て、もしは一句、もしは一偈、もしは一転、もしは二転、もしは十、もしは百、もしは千、もしは万、もしは億万恒河沙無量無数(おくまんごうがしゃむりょうむしゅ)転(てん)ぜば、復、真理の極を体(さと)ること能わずといえども、復、三千大千の国土を震動し、雷奮梵音(らいふんぼんのん)をもって、大法輪(だいほうりん)を転ずること能わずといえども、已に一切の四衆八部(ししゅはちぶ)に宗(たっと)み仰がれ、諸の大菩薩を以て眷属とせん。

深く諸仏秘密の法に入って、演説するところ違(たが)うことなく、失(とが)なく、常に諸仏に護念(ごねん)せられ、慈愛ひとえに覆われん。新学(しんがく)なるを以ての故に。

善男子、これをこの経の第四の功徳不思議の力と名づく。