見宝塔品第十一

是の時に大楽説菩薩、如来の神力を以ての故に、仏に白して言さく、世尊、我等、願わくは此の仏身を見たてまつらんと欲す。

仏、大楽説菩薩摩訶薩に告げたまわく、

是の多宝仏、深重(じんじゅう)の願(がん)います。若し我が宝塔、法華経を聴かんが為の故に諸仏の前(みまえ)に出(い)でん時、其れ我が身を以て四衆に示さんと欲することあらば、彼の仏の分身(ふんじん)の諸仏、十方世界に在して説法したもうを尽(ことごと)く一処(いっしょ)に還(かえ)し集めて、然(しこう)して後に我が身、乃(すなわ)ち出現せんのみ。

大楽説、我が分身の諸仏、十方世界に在(あ)って説法する者を今当(いままさ)に集むべし。

大楽説、仏に白して言さく、世尊、我等、亦(また)願わくは世尊の分身の諸仏を見たてまつり礼拝し供養せんと欲す。

爾の時に仏、白毫(びゃくごう)の一光(いっこう)を放(はな)ちたもうに、即(すなわ)ち東方五百万億那由佗恒河沙等(とうぼうごひゃくまんのくなゆたごうがしゃとう)の国土の諸仏を見たてまつる。