彼の諸の国土は皆(みな)頗梨(はり)を以て地と為(な)し、宝樹(ほうじゅ)・宝衣(ほうえ)以て荘厳(しょうごん)として無数千万億の菩薩、其の中に充満せり。
徧(あまね)く宝幔(ほうまん)を張(は)って宝網(ほうもう)上(みうえ)に羅(か)けたり。
彼の国の諸仏、大妙音(だいおんじょう)を以て諸法(しょほう)を説きたもう。及(およ)び無量千万億の菩薩の諸国に徧満(へんまん)して衆の為に法を説くを見る。
南(なん)・西(ざい)・北方(ほっぽう)・四維(しゆい)・上(じょう)・下(げ)、白毫相(びゃくごうそう)の光の所照(しょしょう)の処も亦復(またまた)是の如し。
爾の時に十方の諸仏、各(おのおの)衆(おおく)の菩薩に告げて言わく、
善男子(ぜんなんし)、我、今、娑婆世界(しゃばせかい)の釈迦牟尼仏の所(みもと)に往(い)き、並(ならび)に多宝如来の宝塔を供養すべし。
時に娑婆世界(しゃばせかい)即ち変(へん)じて清浄(しょうじょう)なり。瑠璃を地と為して宝樹荘厳(ほうじゅしょうごん)し、黄金(おうごん)を縄(なわ)として以て八道を界(さか)い、諸の聚落(じゅらく)・村営(しゅんにょう)・城邑(じょうおう)・大海・江河(ごうが)・山川(せんぜん)・林藪(りんそう)なく、大宝の香を焼(た)き、曼陀羅華(まんだらけ)徧く其の地に布(し)き、宝の網幔(ほうまん)を以て其の上に羅(か)け覆(おお)い、諸の宝鈴を懸けたり。