若し人と為ることを得ては、諸根暗鈍(しょこんあんどん)にして矬陋(ざる)・恋躄(れんびゃく)・盲聾(もうりょう)・背傴(はいう)ならん。言説する所(ところ)有らんに人信受せず。口の気(いき)、常に臭(くさ)く鬼魅(きみ)に著せられん。貧窮下賎(びんぶうげせん)にして、人に使われ、多病痟瘦(たびょうしょうしゅ)にして、依怙(えこ)する所無く、人に親附(しんぷ)すと雖も、人、意(こころ)に在(お)かじ。若し所得(しょとく)あらば、尋(つ)いで復、忘失せん。若し医道を修して方(まさ)に順(じゅん)じて病を治せば、更に佗(ほか)の疾(やまい)を増(ま)し、或は復、死を致さん。
若し自ら病(やまい)有らば、人の救療(くりょう)すること無く、設(たと)い良薬(ろうやく)を服すとも而も復、増劇(ぞうげき)せん。
若しは他(たにん)の反逆し、抄劫(しょうこう)し窃盗(せっとう)せん。是の如き等の罪、横(ほしいま)まに其の殃(わざわい)に羅(かか)らん。
斯の如き罪人は、永く仏・衆聖の王の説法教化したもうを見たてまつらじ。斯の如き罪人は 常に難処(なんしょ)に生れ、狂聾心乱(きょうりょうしんらん)にして、永く法を聞かじ。 無数劫の恒河沙の如きに於て、生れては輒(すなわ)ち聾唖(りょうあ)にして、諸根不具(しょこんふぐ)ならん。常に地獄に処すること、園観(おんかん)に遊ぶが如く、余の悪道に在ること、己が舎宅の如く駝(だ)・驢(ろ)・猪(ちょう)・狗(く)、是れ其の行処(ぎょうしょ)ならん。斯の経を謗ずるが故に罪を獲ること是の如し。