ふら、ふら…と

仏教では、この世は

諸行無常

と説きます。

あらゆる物・事は、変化してやまない

といった意味です。

これはこの世に生きる私たちも同じ。

・・・、しかし

私たちは、絶対的な自分を欲します。

変わらない、確かな自分を持ちたいと願望します。

自分を安心させるために。

自己肯定をするために。

自己実現、というのでしょうか?

理想の自分を思い描いて、

その理想にまい進する

そして理想の自分になって、安心する。

このような生き方が良いと思われている気がします。

かけがえのない人生です。

確かに良いと思うのです。

ただ、誰もがその理想を手にすることはできないのも事実。

そこに理想と現実の乖離が起こり、

思い悩むのも事実。

多くの、否、大部分の人間が思い悩む側になるのも、また事実。

ところで、

観音様や薬王菩薩様、妙音菩薩さまは、

自分をあらゆる存在に変身できたとか。

その場、その場で

もっとも適切な自分を演じて

人々を導いたといいます。

自分、というものをあえて持たなかった。

そして執着がなくなり、

心が安定した。

こういう方々だと私は思っています。

仏道は、

この世を諸行無常と感じ、

つまり変化するものと理解し、

自分も変化してやまないのだと

絶対の自分、理想の自分という妄想をなくす。

これを諸法無我

といいます。

この諸法無我を体得することが

第一歩、はじめの一歩

なのでしょうね。

観音様たちのように、

名も変わり、

立場も変わり、

姿かたちさえ変わっても、

こういうものだと、生きていく。

変化の世界なのだから、

あらゆるものが変化し続けるのは当たり前と、

安心して!!

ふら、ふら、変化するのを恐れずに…。

このような境地になりたい、と思うのです。

…、これも理想の自分を思い描いているのですが…。

仏道は、とても難しいものですね・・。。

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