易経の言葉に次のようなものがあります。
王、用(も)って三駆(さんく)して前禽(ぜんきん)を失(しっ)す
比卦 九五より
人と仲良くなるための教えを説いた場所に説かれています。
王様が狩りをするときは、三方向は包囲するが、後の一方は包囲せず、逃げ出すことを許すという意味です。獲物に逃げ出す場所がを作らないと、死に物狂いで向かってくるようになるので危ない。そうしないためにも一方は空けるのだというのです。
仏様は、どんな人とも対話を望まれたといいます。話を聞く。良い悪いは置いておき、まず話を聞く。聞こうとする。これを慈悲の心と言います。
とても難しく、なかなかできることではありません。これをするには、どんな人にも善なる心が内在していることを絶対に信じなければいけませんから。内在する善なる心を見て、対話するわけですから。
難しいです…。難中の難です。…不可能と言ってもいいほどに…。
お題目信仰は、この慈悲の心を手に入れるためのご修行です。仏様とまではいかずとも、少しでも近づけるようにとご修行するのです。
ご縁がありますように