紙背を読む

昔、本はただ読んでもダメだ。その後ろに隠れている思想をとらえなければいけないと教わりました。

…ただこれはすごく難しい。ただ読んで本の内容を理解するのも難しいのに、それ以上を求めるわけですから…。

でも言っていることはその通りなんでしょうね。私はそこまでなかなかいけませんけれど…。

でも分からないなりに、法華経に説かれていることって、この紙背に当たるのだろうと思っています。

どういうことか?

法華経ではどうもこの世とかこの世に生きている存在などを「良いもの」と捉えていると思われるのです。

日々犯罪が起こったり、戦争があったり、病気をしたり、…様々なことが起こるこの世とここに住む存在が、です。

信じるのは難しいですが、考えてみると、悪いことをすると地面が裂けてその中に落っこちるということもありません。戦争したからと、その人たちの周りから空気を取り去り罰を与えるということもありません。

逆に良いことをしたからと、なにかご褒美をもらえることもありません。

ただ、誰でも、どんな人でも、平等に、生きるための環境が与えられているだけです。良いとか悪いとかの評価は一切ありません。

何かを評価することなく、等しく、生きることが出来る世界…。

これは、考えてみれば、素晴らしい世界と言えるのではないでしょうか? 

法華経がいい世界といったのは、こういうことなのかもと少し思ったりします。・・・すぐ忘れてしまうのですが・・・・。

良い世界に生きていると、心から思えるようになると、この世界に適った生き方をしようと自覚するようになるのでしょう。

この自覚を多くの人が持つことで、なにかが変わっていくのでしょう。これがお題目信仰(修行)なのでしょう。

・・・ただ、この世が良いものと思い続けるのは本当に、本当に難しいのかな、と今の私は思ってしまいます。だから少しでもこう思える時間が増えればいいと願って、毎日のお勤めをしています。

ホント、凡夫ですね…。

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