ご先祖様は、いずこへ

昨日から秋のお彼岸に入りました。この機会を利用して、ご先祖様にご報恩しようとお考えの方も多いことでしょう。

昔から、ご先祖様は根っこ。我々生きている子孫は木と言います。根っこがあってこその木なのだから、ご先祖様を供養するのは大切だと。

本当にその通りだと個人的に思っています。

ところで、亡くなった方は輪廻転生すると考えられていますね。前世の行いが今生を決め、今生の行いが来世を決める。・・・このようなことを繰り返すのが輪廻転生。

この考えによると、ご先祖様も輪廻転生されていると言えます。

では、どこに???

私たちは亡くなると、黄泉の旅路に赴きます。この旅路では、一週間(七日)ごとに関所があり、故人は自分の行い(良いことも悪いことも)をはっきりと思い出していきます。生きている時には、忘れてしまっていた様々なことが全てはっきりと思い出してくるのだそうです。

そして、思い出したことについて、反省したり、納得したりと心の整理をしていきます。

ちなみに七日ごとの関所を通過する日が、初七日・二七日などと言われるものです。

このように心の整理をしながら旅を続けて行き着くところが閻魔大王様のいらっしゃる場所。大王さまは浄玻璃という心の内面までもすべて映し出す鏡を持っているそうです。この鏡の前に故人は立たされます。

すると今生の行いから導かれる来世の自分の姿が映し出されます。旅をつづけながら、心の整理をしてきた霊魂ですから、その姿を受け入れると言います。

そして閻魔大王様の御力で、輪廻転生をするのだと。

これが一般に言う四十九日の法要です。この時、霊魂は今生の自分から心身ともに離れ、新しく生まれ変わるのです。四十九日法要で遺骨をお墓に納骨するというのは、生まれ変わりに際し、今生の体からも離れるという意味合いだと思っています。

こうして生まれ変わった霊魂は、生まれ変わった先で生きられるよう準備期間に入ります。私たち人間ならば、一般に十月十日と言われる胎児の状態です。この期間に新しい体を作り、新しい世界で生きられるように成長するのです。

そしてその期間は終わると、晴れて新しい世界に新しい命として生まれるのです。これが一周忌。不思議なことに四十九日から十月十日、約310日経つと、死亡から一年、一周忌にあたるのです。

こう考えると、恩あるご先祖様や父や母は、どこかは分からないけれど、私たちより若い命として生きているのだと思うことが出来ます。

公園などでパパママに甘えてにこにこしてる赤ちゃんが、ひょっとしたらご先祖さまや亡くなった父や母なのかもと。

すると、供養のやり方はもっと多様化することになるでしょう。なにが供養になるのか?ご自分でできる、納得できる供養の在り方を見つけられるといいですね。

私も母が亡くなり間もなく一年。供養についていろいろと考えさせられた一年です。

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